「ラー」を名乗る宇宙存在と交信して書かれたとされる『ラー文書』を解説します。
解説の内容は主に日本語訳の用語について、また、私が『ラー文書』で他のアセンション関係の文書と異なる最大の特徴と思うことについて簡単に述べます。
前者についてはスピリチュアル用語の解説というよりは、耳なじみのあるスピリチュアル用語と『ラー文書』における特殊なスピリチュアル用語を照合させるだけです。
【ラー文書解説】特殊な用語使用とアセンション観
『ラー文書』における特殊なスピリチュアル用語
『ラー文書』の特徴として、使用されている用語が、最近アセンションやスピリチュアルについて学んだ人にはちょっと聞きなれない用語を使っていることが挙げられます。
しっかり読めば最近のスピリチュアル系との共通点を見出すのは簡単なんですが、読んでいて戸惑う方もいるかもしれないので一応書いておきます。
先述したように、スピリチュアル用語全般の解説というよりは、『ラー文書』における特殊なスピリチュアル用語と耳なじみのあるスピリチュアル用語を照合させるだけです。
ここでは以下の用語を解説します。
- ゆがみ
- 密度
- 収穫
- ワンダラー
- 高次自己
- 光線
- 触媒
- 媒体
ゆがみ
この「ゆがみ」とは、性質・事柄・性格・現象など様々なことを指します。
シンプルに頭の中で「こと」や「もの」と読み替えるのが一番分かりやすいと思います。
なぜ「ゆがみ」などという言葉を使うかといえば、私の推測ではありますが、次のように考えています。 『ラー文書』のラーはすべての事象が「一なるもの」もしくは「一なるものの法則」から派生する現象だととらえます。
そのため、「一なるもの」それ自体以外のすべては、その純粋な「一なるもの」ではなく、それを多かれ少なかれ改変し「ゆがめた」ものだ、という考えから、このような用語使用になったのだと思います。
この「ゆがみ」という言葉は通常日本語では否定的なニュアンスを帯びて使われますが、『ラー文書』においてはそのような否定的な文脈ではなくとも普通に使用されます。
密度
これは簡単で「次元」を意味すると思われます。
最近のスピリチュアルで「3次元から5次元のアセンション」というような場合の「次元」を、「密度」に言い換えただけです。 ただし難しいのは、普通に「次元」という言葉を用いている箇所もあるということです。 それでも全体的な脈絡から考えて、「密度=次元」と捉えて間違いないだろうと思います。
収穫
「収穫」は要するに「アセンション」を意味します。
その理由は、アセンションはアセンションする該当の存在よりも高次の存在が「収穫」するものだから、ということみたいです。
ワンダラー
「ワンダラー」は一般に「スターシード」や「スターチャイルド」と呼ばれているものを意味しています。
2巻序文の注で「魂が宇宙人で、肉体が地球人である人のこと」と説明されています。
高次自己
字面だけでもすぐ分かるかもしれませんが、「高次自己」は「ハイアーセルフ」を意味します。
通常のスピリチュアルでどう考えてるのか私は知らないですが、高次自己(ハイアーセルフ)は『ラー文書』では、「その当の本人が未来においてアセンションした存在」を意味するそうです。
光線
「光線」も結構戸惑うかもしれません。
これは要するに「チャクラ」を意味します。 またチャクラ(光線)と結びついた身体の該当箇所については「エネルギー中枢」という言葉で表現されています。
触媒
「触媒」は体験的な「事柄」を意味します。
ゆがみとの違いは、その意味的な重点が、それぞれの霊的存在が成長する機縁(機会)としての「体験」にあるところです。
媒体
「媒体」はラーとチャネリングする「チャネラー」を意味します。
ほとんどの場合『ラー文書』では、この「媒体」は該当のチャネリングをしたチャネラーであるカーラ・L・ルカート女史を指します。
『ラー文書』におけるほぼすべての交信は、質問者による「この媒体をもっと心地よくしてあげるために、私たちが何かできることはありますか」というカーラさんの状態に関する質問と、それへのラーの返答で締めくくられます。
『ラー文書』ではポジティブ・ネガティブいずれでも収穫(アセンション)の可能性があるとされる
最後に私が『ラー文書』最大の特徴だと思う点を簡単に挙げておきます。
通常、スピリチュアルでは「心に調和を持ちなさい、常にポジティブな気分・感情を持ちなさい、他者に寛容であり利他的でありなさい」とひたすらポジティヴィズムが推奨されます。
したがって多くの人は「アセンション=ポジティヴィズム」と考えており、それ以外の道などないと思っているでしょう。
しかし『ラー文書』によれば、他者を搾取して自己利益を図るネガティブな存在もアセンションできるとされています。
『ラー文書』ではポジティブなアセンションを「他者への奉仕」(の道・方法)と呼び、ネガティブなアセンションを「自己への奉仕」(の道・方法)と呼んで区別しています。 そしてラーは、この両者とも別のやり方で「一なるものの法則」に奉仕しているのであり、その点では区別することができないと考えているようです。
ラーによれば、ポジティブな収穫(アセンション)は自己奉仕:他者奉仕の比率が49:51に達したなら、ネガティブな収穫(アセンション)は自己奉仕:他者奉仕の比率が95:5に達したなら可能になるそうです。
なぜその比率かといえば、その比率の達成が同じくらいに困難だというのがその理由だといいます。
ただしラーは、ネガティブな道で収穫を迎えてもさらに上の次元(密度)では行き詰まることが多くなり、ほぼ例外なくネガティブな道でアセンションした存在も、高次元においてはポジティブな道にシフトチェンジするそうです。 この記事は以上です。