新型コロナについてSNSで出回って話題になっているツイートに、「1982年に新型コロナを予言した本がある」ということです。
調査したところ、この本は日本でも邦訳で出版されていたことが分かりました。
この本はいったいどういう本なんでしょうか?
また新型コロナを予言しているというのは本当でしょうか?
このようなことを調べてまとめてみました。
【Twitter】1982年の本が新型コロナを予言?
出回ったツイート
この噂の元ではないかと言われているツイートがこちら。
怖すぎる… pic.twitter.com/gjsq2fE2H5
— 🤫 (@kk15691122) April 3, 2020
3枚の画像
そして出回ったツイートは3枚の画像から構成されています。
1枚目

画像:Twitter
2枚目

画像:Twitter
3枚目

画像:Twitter
ちなみに偶然なのか、大友克洋氏の漫画「AKIRA」も1982年のものだとのこと。ただ検証したとところツイッターで出回った該当の本は、実際には1981年の小説だということです。(後述)
【検証】1982年に武漢のコロナを予言した本とは?クーンツの小説「闇の眼」
2枚目は「End of Days」という別の予言本の写真
まず出回った写真は3枚ありますが、2枚目は1枚目・3枚目とは別の本の中身だということです。
2枚目の本はこれですよ! pic.twitter.com/XPV2dcZPcL
— ⓔⓡⓘ (@412_hmj) April 3, 2020
二枚目は1982年の本じゃないよ。
2008年(SARSが流行った少し後)のシルビアブラウンさんの「End of Days」だよ…。2枚目に「すぐ消えて10年後に再熱して完全に消える」って書いてあるけど
全然コロナ消えないじゃん…。🦠 https://t.co/20AD33905S— 🎀 (@fuwa_fuwa_tan_) April 3, 2020

画像:Twitter
2枚目の写真の本は「End of Days」という別の予言本で、著者のシルビア・ブラウンさんは5歳の時からお告げが聞こえるようになったと主張する霊媒師です。
SARSが流行った少し後の2008年夏にこの本を出版しました。
この本は「2020年ごろ、重い肺炎のような疾病が世界中に拡散する」と書いていたそうです。著者のシルビア・ブラウンさんは2013年に77歳で亡くなっています。
Amazonで買うことはできますが、邦訳はされてないようです。

画像:Amazon
該当の本は1981年出版のDean Koontz(ディーン・クーンツ)の小説「The Eyes of Darkness」(闇の眼)
さらにこんな真偽を確認するつぶやきを見つけました。
「1982年の本が新型コロナを予言」→武漢と書かれた部分は初版(正しくは1981年)ではソ連の設定で、2008年までに変更された。作中のウイルスは致死率100%・潜伏期間4時間など現実と異なる部分が多い。また2020年と書いてるのは別の本。 https://t.co/sZOhX7gHnY
— ネット上の情報検証まとめ (@jishin_dema) April 4, 2020
Google自動翻訳で何とか理解できる部分だけ読んでみると、予言本とされているのは正確には1981年に出版された小説で、著者はDean Koontz(ディーン・クーンツ)、「The Eyes of Darkness」(闇の眼)だということです。
噂や実際の新型コロナとの一致点と不一致点
噂や実際の新型コロナとの一致点と不一致点のポイントをまとめますが、私は英語力ゼロで、下記は不自然な日本語の自動翻訳を読んだだけの不確かな理解です。正確に一致してるかは保証の限りではありませんので、そちらはご了承下さい。
噂や実際の新型コロナとの一致点は青字、不一致点は赤字で印つけました。
- クーンツ「闇の眼」は1982年ではなく1981年の小説
- 作中の生物兵器(新型コロナは生物兵器ではなく自然発生とされている)が「Wuhan(武漢)-400」(以下「武漢-400」と表記)という名前である
- 「武漢-400」の致死率は100%(新型コロナは2%前後とされてます)
- 「武漢-400」の潜伏期間は4時間(新型コロナは2~14日ほど。日本の厚労省は1~14日で一般的には約5日としています)
- 1981年の出版時には武漢ではなくロシアの都市にちなんで「Gorki-400」だった(Gorki=ゴールキ・レーニンスキエのこと? Wikipediaによればウラジーミル・レーニンの終焉の地として知られ、レーニン博物館がある)。
- しかし2008年までに「武漢-400」に後から変えられている。
ほぼほぼ「武漢」のウイルスってこと以外は一致してないということになります。
ただ自動翻訳の乱文のせいでちょっと自信ありませんが、もしかしたら「2020年」という点も一致してるのかもしれません。(ただ先ほど引用した検証ツイートの方は一致を否定してます)下記は自動翻訳で出た文章です。
Koontzがこの小説で架空の生物兵器を「Wuhan-400」と名付けたのは事実です。中国の武漢が2020年コロナウイルスの発生の中心であるということも事実です。ただし、これが類似点が終わるところです。
引用:「コロナウイルスは1981年のディーン・クンツ小説で予測されたのですか?」の自動翻訳による文章
また出版時には「武漢-400」ではなく「Gorki-400」だったので、少なくとも1982(実際は1981)年の時点で予言したというのは確実に間違ってます。
しかしそれでも十分凄い気がしますが。途中で変えられてるのも意味深です。また「闇の眼」ってタイトルはどうしても「フリーメーソン」のあのマークを思い出しちゃいますね。
ただ作中の生物兵器とは、ウイルスの致死率や潜伏期間がだいぶ違うのは事実です。
もう少し自分で調べたい方はどうぞ「コロナウイルスは1981年のディーン・クンツ小説で予測されたのですか?」(Google自動翻訳によるタイトル)のページをご覧ください。

おそらく文章から英語圏(アメリカ?)のファクトチェックのサイト(もしくはページ)かと思われます。
また興味深いことに、英語圏の拡散でもシルビア・ブラウンの予言本「End of Days」の情報とごっちゃにされて拡散されたということです。
クーンツの小説「闇の眼」は邦訳されていた!
驚いたことにこのクーンツ「闇の眼」は邦訳されているようです。

画像:Amazon
たぶんこれからしばらくはバカ売れするんでしょうね。
元ネタツイートをした「@kk15691122」はプレゼント垢
ちょっと気になったのは、元ネタのツイートをしたらしき「@kk15691122」さんはプレゼント垢だったということ。
★本日の詐欺師
「1982年発行の本に、2020年にコロナウイルスの流行が予言されていた!」という与太話を拡散してる自称プレゼント企画垢。
英語力ゼロの当方でもミスリードと分かるけど、こんなネタを信じるバカは当然プレゼント企画にも引っかかるという寸法ですよ。
何ちゅう悪知恵だ… pic.twitter.com/lvzJgUDW3D— 仰凝亭源蔵@Genzouおじさん a.k.a. クソ署長 (@gogot_man) April 3, 2020
それもフォロワーが1万もあるので、比較的有名なプレゼント垢なのかもしれません。
もしくはいわゆる「フォロワー買い」だったりするんでしょうか。
新型コロナに関する厚労省の情報
ところで、新型コロナについては厚労省が啓発活動をしています。
安易に不確かな情報を拡散しないようにしましょう。
こちらのページには新型コロナに関して知りたいポイント別にまとめてあります。
以上になります。